2012年2月10日金曜日

分をわきまえる

昔の日本には「分をわきまえる」とか「身の丈を知る」とかいう言葉がありました。少なくとも戦前までの日本には分不相応な言動や暮らしをたしなめる風潮があったのではないかと思います。それが戦後になって、差別のない社会を目指せるようになったことや高度経済成長のおかげで、誰でも出世したり金持ちになる夢を持てるようになり、このような言葉はあまり使われなくなってきたのかも知れません。そして1980年代のバブルあたりから日本人の考え方が大きく変わってしまったように思います。どうしたら周囲の者を出しぬけるか、とか、大きな結果を追求するためにはプロセスは多少常軌を逸したって構わない、とかいった風潮が拡がっているような気がします。 もしかすると学校教育が、様々な場面で競争を利用したり奨励したりしてきた事や、個人個人の興味や趣味や嗜好を封じ込め、与えた課題のゴールだけを目指すように仕向けてきたことの結果、ということはないでしょうか? 日本語には「品がない」とか「みっともない」と言った言葉もあります。一攫千金を夢見たりせず、色々な情報に惑わされることもなく、地に足のついた仕事をコツコツとしていくように心がけたいと思います。